FXで買いと売りの溜まる状況

買いが蓄積する状況
まず、買い注文が積み重なる場面についてですが、これは市場参加者の心理を考えると意外と簡単に見つけることができます。
「買い注文が蓄積する」とは、言い換えれば「買いポジションを持っている人が多数存在する状態」となります。
では、買い手が多いのはどんな場面かというと、長期間にわたって価格が上昇し続けているときです。チャートで表すと、押し目を作りながらも全体的に上昇している形になります。
このような局面では、多くの投資家が上昇トレンドと判断し、価格が一時的に下がるとすぐに新たな買いが入るため、買い注文がどんどん積み上がっていきます。
買い注文が多いときの特徴
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売り手よりも買い手が圧倒的に多くなるため、買いポジションが市場に溜まりやすくなります。
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その状態で急な下落が発生すると、利益確定や損切りを急ぐ買い手が一斉に決済を始め、さらに大きな下落が起きやすくなります。
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決済売りが連鎖し、下落が加速することも珍しくありません。
例えば、天井を付けた後に大きな陰線が出ると、多くの買い手が「まずい」と感じて決済を始め、下落が続きます。再び買いが入っても、上昇の勢いが弱ければ、再度の下落につながります。
売り注文が蓄積する状況
売り注文が溜まるのは、上記の逆で、一方的な下落が続くときです。この場合は売り手が圧倒的に多くなり、安値を更新できなくなると、売り手が徐々に決済を始めます。
その後、一時的に上昇しても、売り圧力が弱まると大きな陽線が出ることがあり、売り手の決済が一斉に進んで価格が急騰することもあります。
売りが溜まった状態では、買いよりも価格変動が速くなることが多いので、損切りの徹底が重要です。
売りの場合はこの逆。
買いと売りの両方が溜まるケース
買いと売りのポジションが両方とも多くなっている場合は、チャート上で「レンジ相場」として現れます。レンジ相場とは、一定の価格帯の中で値動きが繰り返されている状態です。
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この範囲内で買い手と売り手が拮抗しており、どちらも決済を控えているため、ポジションが溜まりやすくなります。
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レンジをどちらかに抜けた瞬間、損切りや利食いの注文が一気に発動し、大きな値動き(レンジブレイク)が発生します。
まとめ
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買い注文が溜まるのは、長期的な上昇トレンドで買い手が増え続けるとき。
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売り注文が溜まるのは、継続的な下落トレンドで売り手が増え続けるとき。
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買いと売りが両方溜まるのは、レンジ相場のように価格が一定範囲で推移しているとき。
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いずれも、チャートの流れや市場参加者の心理から判断することが大切です。